WARP DAYS

Written by Noriko
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宮本恒靖、FCレッドブル・ザルツブルグへ

まずは、FCレッドブル・ザルツブルグへの移籍決定、おめでとうございます。ガンバの公式じゃなくて、真っ先に自分の公式サイトの日記で、自分の言葉で報告をしてくれるところも、日記の内容も、どこまでもツネらしいなぁ…。

宮本の移籍に関しては、今回は本当に賛成で、心から「行ってらっしゃい!」と言って、送り出したいです。日本代表キャプテン、ガンバの顔、宮本が、念願の欧州移籍へ!と華々しいタイトルをつけてスポーツニュースは報道しているけど、向こうでしっかりと選手としてやっていくのは必ずしも簡単な事ではないだろうし、事前に大成功・大活躍が“確約”された移籍ではないかもしれません。それでも、宮本本人が強い意志を持って、移籍という道を選び、それが叶ったというのなら、私は迷うことなく全力で応援したい。そして、今回の移籍で、宮本が多くのものを得て、また日本へ帰ってきてくれることを信じています。

私自身はガンバを見るようになって決して長くはないけれど、それでも、クラブと代表を行き来しながら、そのどちらにも本当に力を注いできた宮本の姿を見てきました。私がガンバを見るようになったキッカケが、まさに、日韓W杯ロシア戦での、宮本でした。宮本は、代表ではキャプテン、ガンバでもチームのまとめ役として、常にプレッシャーがつきまとい、弱音を吐いたりくじけたりすることが周りから許されないポジションに居ました。それでも彼は周囲の期待通りに、むしろ皆の想像以上に、どんな状況でも前を向いて、自分だけでなく、気丈な言葉で周りをも鼓舞しながら、プレーを続けてきました。日本代表ではキャプテンとしてW杯を2度経験、五輪や、アジアカップ、コンフェデ等、様々な大会・試合を経験し、そしてガンバでは、ユース一期生として加入してから、15年。去年、13年かかって掴んだ、優勝というタイトル。何度も、色々な興奮、悲しみも、喜びも味わわせてもらいました。

その宮本が、欧州移籍という長年の夢を叶えたいというのなら、心から「行ってらっしゃい」と、その他に言葉が出てきません。沢山の気持ちがあります。宮本の夢が叶った嬉しさ。それから、来季からはガンバの試合を観ても、どこにも彼の姿が見つけられないという寂しさ。きっとまだ、寂しいと言っていても現実感がないんだろうと思います。来季、スタジアムへ足を運んだ時、試合中、大事な試合の前、負けてしまった試合の後、イヤーブックを開いた時、サイトの選手一覧を見た時、スポーツニュースを見た時。色んなところで、様々な形で、宮本が抜けた穴を、ひしひしと感じるんだろうなぁ。後ろから、宮本の声が聞こえてこないガンバが、今はまだきちんと想像出来ない。それほど、宮本が今までガンバに(代表に)与えてきた影響は、大きい。きっと、他の誰かが、急にそれを埋められるような大きさではない。

今季優勝したいと思った理由は前のエントリで書いたけど、もう一つ重要な理由があって、それが、今年のイヤーブックで宮本が言っていた、優勝したことで、これからチームも、サポーターも皆でもっと成長していかなくてはならないという様な内容の言葉。宮本がガンバを離れる事で出来る穴は本当に大きいけれど、それでガンバがダメになっているようではいけないんだ。これは、宮本自身にとっても、チームにとっても、サポーターにとっても、大きなチャンス。これを機に、もっと強くならなきゃいけない。それが、宮本への一番の後押しにもなるんじゃないかな。

だから、まずは、天皇杯。最後に、国立で、カップを掲げてもらおう。そして、祝福とともに、オーストリーへ、送り出したい。

ガンバにいてくれて、私をサッカーに引きずり込んでくれて、言い表せないくらいの経験、思い出、大事な友達を与えてくれて、そのチャンスを与えてくれて、本当にありがとう。

また、どんな形になるかは今はまだ分からないけど、必ずガンバへ、ホームへ帰ってきて、会いましょう。サッカー選手としてプレーする場をオーストリーへと移した宮本選手の行く道が、その新天地で、素晴らしいものとなりますように。
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