レディ・ジョーカー観てきました
ネタバレありです。
今日三宮東映でレディ・ジョーカー観てきました。お客さんは40人くらいかな？客層は8割中年夫婦、1割はその他中年層、残り1割が更にその他といった感じでした。私は一番最後の1割に入るわけですが…高村薫て割と若い人も読んでるイメージあったので、もっと客層イロイロかな？と思ってたんですが、そんな事はありませんでした。「走れ！イチロー」の時以上に中年層だらけでした。思い出したくない事を思い出してしまった。
さて、まず観る前から思っていたことは、レディ・ジョーカー（以下LJ）は、当然の事ながらあの分厚いハードカバー上下巻のボリュームがあって、あの中で緻密に語られる背景やストーリーがあってこそあれだけの大作（と私は思っています）になっていると思うので、それを2時間の映画に「まとめる」という事は、原作と同じ重量感・ボリュームになることはまずあり得ないと言うことです。というわけで、公式サイトの作りからしても、観るのは楽しみではありましたが、映画の質的にはあまり期待せずに映画館に足を運んだというのが正直なところでした。
見終わった感想としては、無粋ながら個人的に点数をつけるとすれば65〜70点というところです。ひとことで言えば「上手くまとめたなぁ〜〜」というところ。もっとエッセンスだけ抜き取ってショボイ作品になってると思ってたのですが、私は意外に健闘したなぁと思いました。的は外れていない。2時間でLJの筋を再現するならこうなるだろうなぁと。ただやはり、無くなっている部分も大きいのですが。
まず役的に刑事の合田ですが、義兄の加納の存在を映画では消した事によってもう別人だなぁと思っていたので（しかもなんか若いし）これはもうコレで良いかな…徳重君は悪くなかったと思います。演技は要修行かもしれませんが、スクリーン映えしますね。なんかやたらフレッシュな合田でしたわ。良くも悪くも一番ちげーだろ！と思ったのは吉川晃司の半田。かっこよすぎや！エエキャラすぎや。原作を読む限り私は半田をあんなキャラだと思わなかった。もっと捻くれて鬱屈して心に狂気を飼い、足掻いても日の目を見る事も出来ない…そんな閉塞感みたいなものが吉川晃司の半田にはなかった。有る意味突き抜けてしまっている。吉川晃司の半田ならLJに入らないだろうなぁと思いました。でも、吉川さん演技上手いなぁ。すごく良かったんだけどね。
しかし…映画中の二人のエピソードで残念に感じたシーン…最後の合田が半田に手紙を出して、というあのあたりのやりとり。私が原作で好きな部分の一つなのですが、あの行き詰まる切迫感と狂気、お互いに追いつめられていっている感じが、この合田と半田では出ませんでした。あ〜〜…合田は今回、内面描写的なものが殆どなかったし、吉川半田もかっこよすぎるし…あのシーンはしょんぼりしました。
で。でも、この映画は、作りとしてLJの筋は追えています。映画の中で語られていることの必要最低限は、映画の中でちゃんと分かる様に作られています（タイトル除く…これはどうなんだろうか…）。ただ、2時間にまとめたことでそぎ落とされた部分で残念なのが各人物の深い背景です。それを語り出すと2時間では終わらないんでしょうが。LJの各人物の関わりと結成に至る理由、物井清二の手紙、秦野の出自などは触れられてはいるものの本当に必要最低限で、原作を読んでいる側としてはこれが歯がゆい。原作読まずに観た人だと「うん、わかるけど、え、でもそんだけ？」という微妙な物足りなさが残るのではないかな。実際、私が原作をきっちり読んだのは6年くらい前なので忘れている部分もあり、今回映画を観たことで「わ〜〜〜やっぱりちゃんと読み返そう！」となった。なので、原作未読の方は「原作をちゃんと読んでもっとしっかり把握したい！」と思われたのではないか。ん？そういう映画なのか……？ちなみに新聞社のエピソードが丸々ないのは別にOKだと思いましたけど。
原作既読じゃないと映画を観ても分からない、というのは作品として駄目だと思うのですが、私はLJに関してはそこまでは思いませんでした。映画は、映画で分かる様に作られている…しかし原作既読の側からすると物足りない部分が多分にあるのも事実！というわけで。う〜ん、それを前向きに捉えるなら、原作は量もあるのでちょっと敷居が高いかもしれませんが、映画を観ることによって「読んでみたい！」と手が伸びるのでは…とか…どうそれ…。でも原作未読でこの映画見にいってる人って、そんなに多くないと思うので、やっぱりあんまり良くないのかしらん。
でも、2時間飽きませんね。テンポはとてもいいです。配役も良いと思いました。観に行こうかな？と思っている方であれば観に行ってみて〜と控えめに言っておきます。でもさ、さっき（）の中でちょっと書いたけど、タイトルの意味が映画だけじゃ分からないんですよね。「レディ」の部分が…何故布川の娘がレディなのか。まぁ話はそれでも分かるんだけど。ちょっと残念です。…とここまで書いてパンフ買い忘れた事に気付きました！あ〜……しまった…。まぁいいや。とりあえず、原作読み返します。
今日三宮東映でレディ・ジョーカー観てきました。お客さんは40人くらいかな？客層は8割中年夫婦、1割はその他中年層、残り1割が更にその他といった感じでした。私は一番最後の1割に入るわけですが…高村薫て割と若い人も読んでるイメージあったので、もっと客層イロイロかな？と思ってたんですが、そんな事はありませんでした。「走れ！イチロー」の時以上に中年層だらけでした。思い出したくない事を思い出してしまった。
さて、まず観る前から思っていたことは、レディ・ジョーカー（以下LJ）は、当然の事ながらあの分厚いハードカバー上下巻のボリュームがあって、あの中で緻密に語られる背景やストーリーがあってこそあれだけの大作（と私は思っています）になっていると思うので、それを2時間の映画に「まとめる」という事は、原作と同じ重量感・ボリュームになることはまずあり得ないと言うことです。というわけで、公式サイトの作りからしても、観るのは楽しみではありましたが、映画の質的にはあまり期待せずに映画館に足を運んだというのが正直なところでした。
見終わった感想としては、無粋ながら個人的に点数をつけるとすれば65〜70点というところです。ひとことで言えば「上手くまとめたなぁ〜〜」というところ。もっとエッセンスだけ抜き取ってショボイ作品になってると思ってたのですが、私は意外に健闘したなぁと思いました。的は外れていない。2時間でLJの筋を再現するならこうなるだろうなぁと。ただやはり、無くなっている部分も大きいのですが。
まず役的に刑事の合田ですが、義兄の加納の存在を映画では消した事によってもう別人だなぁと思っていたので（しかもなんか若いし）これはもうコレで良いかな…徳重君は悪くなかったと思います。演技は要修行かもしれませんが、スクリーン映えしますね。なんかやたらフレッシュな合田でしたわ。良くも悪くも一番ちげーだろ！と思ったのは吉川晃司の半田。かっこよすぎや！エエキャラすぎや。原作を読む限り私は半田をあんなキャラだと思わなかった。もっと捻くれて鬱屈して心に狂気を飼い、足掻いても日の目を見る事も出来ない…そんな閉塞感みたいなものが吉川晃司の半田にはなかった。有る意味突き抜けてしまっている。吉川晃司の半田ならLJに入らないだろうなぁと思いました。でも、吉川さん演技上手いなぁ。すごく良かったんだけどね。
しかし…映画中の二人のエピソードで残念に感じたシーン…最後の合田が半田に手紙を出して、というあのあたりのやりとり。私が原作で好きな部分の一つなのですが、あの行き詰まる切迫感と狂気、お互いに追いつめられていっている感じが、この合田と半田では出ませんでした。あ〜〜…合田は今回、内面描写的なものが殆どなかったし、吉川半田もかっこよすぎるし…あのシーンはしょんぼりしました。
で。でも、この映画は、作りとしてLJの筋は追えています。映画の中で語られていることの必要最低限は、映画の中でちゃんと分かる様に作られています（タイトル除く…これはどうなんだろうか…）。ただ、2時間にまとめたことでそぎ落とされた部分で残念なのが各人物の深い背景です。それを語り出すと2時間では終わらないんでしょうが。LJの各人物の関わりと結成に至る理由、物井清二の手紙、秦野の出自などは触れられてはいるものの本当に必要最低限で、原作を読んでいる側としてはこれが歯がゆい。原作読まずに観た人だと「うん、わかるけど、え、でもそんだけ？」という微妙な物足りなさが残るのではないかな。実際、私が原作をきっちり読んだのは6年くらい前なので忘れている部分もあり、今回映画を観たことで「わ〜〜〜やっぱりちゃんと読み返そう！」となった。なので、原作未読の方は「原作をちゃんと読んでもっとしっかり把握したい！」と思われたのではないか。ん？そういう映画なのか……？ちなみに新聞社のエピソードが丸々ないのは別にOKだと思いましたけど。
原作既読じゃないと映画を観ても分からない、というのは作品として駄目だと思うのですが、私はLJに関してはそこまでは思いませんでした。映画は、映画で分かる様に作られている…しかし原作既読の側からすると物足りない部分が多分にあるのも事実！というわけで。う〜ん、それを前向きに捉えるなら、原作は量もあるのでちょっと敷居が高いかもしれませんが、映画を観ることによって「読んでみたい！」と手が伸びるのでは…とか…どうそれ…。でも原作未読でこの映画見にいってる人って、そんなに多くないと思うので、やっぱりあんまり良くないのかしらん。
でも、2時間飽きませんね。テンポはとてもいいです。配役も良いと思いました。観に行こうかな？と思っている方であれば観に行ってみて〜と控えめに言っておきます。でもさ、さっき（）の中でちょっと書いたけど、タイトルの意味が映画だけじゃ分からないんですよね。「レディ」の部分が…何故布川の娘がレディなのか。まぁ話はそれでも分かるんだけど。ちょっと残念です。…とここまで書いてパンフ買い忘れた事に気付きました！あ〜……しまった…。まぁいいや。とりあえず、原作読み返します。
- : - : 
