WARP DAYS

Written by Noriko
Football(GAMBA,JPN),Hobby and more.

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第14節 ガンバ大阪vsコンサドーレ札幌

先日の京都戦は、久々のガンバの試合でなんかぼんやり観てしまった。久々に観るガンバ選手が「愛しい!」とキモいことを思いつつも、なんかおもしろくねー試合してんな…と思いながら…「シジはやっぱええ選手やな…」と思いながら…「フェルは今日もちっちゃいな……試合中に握手すんなwww」とか思いながら…さ…。言い訳すると、仕事帰りだったもんで、最初の15分を観てないんだけど、なんか出だしを観てないと試合に入りづらくないですか!?観戦側でも…。いや…まぁ、私がぼーっとしてただけですが。というわけで、次は今日はちゃんと試合を観ようと思ったのでした。


ちなみに札幌戦の日は朝から、緑地公園に乗馬体験行ってました。3回コースの、2回目。春頃に突然馬に乗りたくなって(それまで乗馬体験全くなし)、通うつもりはないんだけど、ちょっと乗ってみようと思って、体験コース。いやぁ、楽しいです。皆に勧めまくってるんだけど…。全然怖くないぞ、馬カワイイし、気持ちいいし、汗かくし。というわけでここでも突然すすめます。馬はいいぞ!


さておき札幌戦。食い倒れは、4時半くらいにいったら、魅力的な食事があんまり残ってなかった、残念!でも一口もらったスリランカカレーが美味しかったなぁ。いつも売ってくれたらいいのに。雨は、私が万博に着いた頃はちょっと降ってたんですけど次第にやみ、試合が始まる頃には全然降っておりませんでした。素晴らしい!

んが、試合は、真逆だったなぁ。あれでいいのか!ガンバ大阪。省エネ?「省エネ」とも思わないんだけど…。春頃は、連戦続きで身体が動いてないからしょうがないのかとも思ってたんだけど、今年に入ってから、あんまり魅力的なサッカーをしてるとは思えない感じ。贅沢言ってるのかなぁ。しかし昨日の試合のピッチから漂う「もったいない感」「残念感」といったらなかったです。ルーカスは全然ボールに触れてなくって、ボックス席のお子さんもちょっとつまらなさそう…。どこで使うのが、一番いいんだろ。とにかく前線が勿体ない。2列目も勿体ない。上手い選手いるのになぁ。

とにかくガンバはバレーに放り込んでばかり、バレーも前線でめちゃキープ出来るタイプではないから、それなら足元の上手いルーカスに、と思うんだけど、繋がらない。この試合、安田の左サイドをほとんど使わず…。守備についても、札幌の選手がボール持って上がったら、相変わらずディレイしてきて最終ラインぎりぎりでなんとかする…もっとズルズル下がって来る前に、SBとボランチで挟みにいっちゃえばいいやん、と素人の私は思うわけですが、あんまりそういうガンバを観たことがない…ので、そういうスタイルなんかなぁ…。

内容についてはブツブツ言ってたんだけど、でも結果的には4-2とかで勝ってるんだよねぇ。バレー2得点もよかったけど、3点目のルーカスと、4点目の遠藤のFKからドンピシャの山口ヘッドが、きれいやったな〜!4得点で勝った試合ですが、個人的に面白かったのは、2-1のあたりで、内容のつまらなさに、隣に居たimaちゃんが「あ〜もう7-1くらいで勝たんかなぁ〜」とドS極まりない発言をしたことです。

しかしコンサドーレ札幌、リーグ戦は、めちゃくちゃ久しぶり。私がリーグで覚えてる最後の札幌戦て、個人的にJを見に行き始めて間もない頃で、小雨がぱらつく万博での試合だったような…。確か松代とファビーニョ以外が下痢で大変という試合だったような…。まさにその二人が大活躍の試合だったような…。得点が、札幌の選手が自陣ペナルティエリア内でバレーボール選手のようなハンドをかまして得たPKをマグロンが決めた1点だけで勝った試合だったような…。

久々に観た札幌にはクライトンとかいた。札幌の外国人は皆ごっつくてびっくり。守備は全員でやってたけど、攻撃になるとちょっと皆外国人3人任せだった…かなぁ…。


一試合終わってまた一試合。次はナビスコ金沢。勝つのが大事だ!ユーロも終わったし、ガンバに集中しないと!
失意のEURO 2008はまた気が向いたら書こう…嗚呼バラック…
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ここ最近の諸々

久々に更新した内容がハゲタカだけっていうのも何なので、大分戦以降書いてなかったことなど、覚えてる範囲でまとめて書いてみます。ていうか大分戦ていつだ…4月の頭か…。

・4/27 神戸戦@ホムスタ、電車ジャック
この時点で既に4月末になってしまった。電車ジャックは大規模になったなぁ〜めっちゃ人多かった。楽しかったですね。もうこれが最後てことになるかもしれませんが…。電車ジャックは楽しかったけど、試合は最悪だったなぁ…。

・プレミア佳境
今季は終盤からしか見てませんでした。もったいないことしたなぁ〜…。マンU戦のバラックとドログバの喧嘩が面白かった。何が面白かったって、無視し続けてたバラックが…。

・4/30 大宮戦@万博
立っててもナナメになるくらいぐんにゃりした試合…名古屋戦に向けてのテンションの上げ方がわからない…とぐんにゃりしながら帰宅

・CL チェルシーvsリバプール
ランパードのPKシーンも勿論印象的でしたが、ドログバの得点シーンが鬼。あんな角度から打ってよう入るわ!と感心……。去年の4月にチェルシーの試合見にいって「バラックのところからリズムが狂う…」と半泣きになってから1年。チェルシーでちゃんと力になってるなぁとしみじみ…

・5/3 名古屋戦
豊スタまで。貴重な、大事な勝ち点3ゲット!ほんま、勝ててよかった。DF、中澤と山口が大奮闘。ナカザー、素晴らしかったです。それにしてもこの日の名古屋は夏だった…。

・バラックのおばはんパーマが酷すぎる

・浦和戦
そのころ私は六甲山にいた…。家族で遊びに行っておりまして…。帰りに、携帯で例の事件を知って、えらいたまげた。もうクラブからのリリースも、処分についても発表されていますので、今更あらためて書くことはないのですが…。自分ができることってなんだ?やれることってなんだ?と考えて、結局はでも、しっかりリスペクトの気持ちを持って、応援、観戦を楽しもうということかなと、思いました。

・全南戦@万博
去年の年末に、武井くんを観に長居第2までインカレを見にいったのに、武井君は風邪じゃった…(スタンドでちょっとだけ喋れた、すいませんと言っていた…)。動く武井くんを初めてみた。試合中だとデカく見えるなぁ!

・CL決勝 マンUvsチェルシー
心が折れ…た…。前半は正直眠い…寝てしまいそうだ…という展開だったのですが、後半からチェルシーが怒濤の攻めに。しかし、しかし1-1のままPKへ。あの終わり方は辛すぎる(そして実質最後に外して試合を終わらせたアネルカの無視されっぷりもなんか気の毒だが…)。嗚呼テリー…。そして私はこの後一週間くらい、バラックの「EUROに向けて切り替えます」発言を読むまで、密かに、CL関連の記事すら読めない程落ち込み倒していたという…。

・5月末 キリンカップ
キリンカップの収穫は、楢崎が代表正GKの座を奪取したこと。かな。そして私は長友くんがふじいあきらにしか見えない病気にかかる。いつ口からトランプを出すか気が気でなかったですよ。

・6月頭
つねっちFCvsやべっちFC。つねっちが念願の「土下座をさせる」を実現する。よかったねつねっち!!!久々に動いてプレーする宮本を見る。やっぱりプレーしてるとこがいいね。インターセプトしてるところが最高だね…。

・6/7 中田さんチャリティーマッチ
「え?モウリーニョくるんですか?行きます」だけでチケットとって日産スタへ。釜本&大黒という、ありえない2トップを拝ませていただく。あ、ありがたや〜!!ありがたいのかどうかはワカランけど…。大黒もうガンバに帰ってきたらいいのに…!!!

・EURO開幕
寝不足の日々が開始。ちなみにドイツの試合は地上波で全然やらないということが分かったので、さくっとスカパー!でWOWOW契約。めっちゃ眠いけど毎晩楽しい。オランダが快進撃を見せたり、ドイツはほんとにクロアチア戦、オーストリア戦と、どうすんだ…これ…みたいな試合をしつつ、ポルトガル戦で大復活してくれたり…。


というわけでここ最近は、夜の0時に寝て3時半に起き、試合を観て1時間仮眠をとってから出社、というのを繰り返していて、なかなかしんどかったですが、楽しかったです。ビデオに録画もしてるんだけど、結果知ってしまうとなかなか観ないもんで…どうしてもリアルタイムで観ないと…というめんどくさい性分で…。でも、今日は消化試合だから寝るぞ!と思って寝た日も、夜中の3時過ぎに自動的に一瞬目が覚めて、自分がアホだと思った…(すぐ寝たけど)。

今晩から数日はちょっとだけゆっくり寝られます。そうこうする内に、もう水曜にはJ再開。あーガンバが久々!海外のサッカーも勿論楽しいけど、やっぱり、ガンバが観たい!
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名作の舞台裏「ハゲタカ」@情文ホール

2008年6月22日(日)、横浜情報文化センターで行われた、公開セミナー「名作の舞台裏」の第20回、NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」の回に行ってきました。申込・抽選制で定員が約200名、応募数が約2,300通とのことで、倍率は約10倍。私は今回、東京在住の友達に応募してもらい、当たったら行こう、ダメだったら諦めよう、と思っていたのですが、友達が見事当選。ヒョーゴ県から馳せ参じました。

「ハゲタカ」の初回放送は去年の春で、その年の6月、8月、12月と再放送があったものの、一年以上経ってこの人気は、ハゲタカ好きとしては嬉しい限り!ほぼサッカーの事ばっかり書いてるブログで突然ハゲタカの話もどうかなと思ったんですが、もしかしたら後々何かの参考に検索などされる方がいらっしゃるかもしれないので、ブログの方にもレポートをアップしておきます。



当日は13時受付開始とのことですが、事前に問い合わせたところ整理券等も特になしとのことでしたので、情文ホール開館の午前10時頃到着、その時点で来ていらっしゃる方はちらほら、という感じ。10時台まででいらしてたのは20人程度かな?結果的に8割以上は女性だったんじゃないかなぁ。

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13時から受付開始、パンフレット等をいただいて情文ホールへ。ホール前方が20cm程の段になっており、その上にゲストの方用の席が用意されているのですが、左から順に(敬称略)、司会をされた荻野慶人(放送人の会)、大友啓史(演出)、大森南朋(鷲津雅彦役)、宇崎竜童(西野昭吾役)、訓覇圭(プロデュース、ディレクター)だったのですが、大森さんと宇崎さんのところの名前表記が「鷲津政彦」、「西野昭吾」に…。皆おおいにウケてました。ご本人登場の頃には、「大森南朋」「宇崎竜童」に変わってましたけどね(重ねて貼ってあったw)


【挨拶】
13時30分よりセミナー開始。まずは大山勝美さんの挨拶など。約2,300名の応募総数があったこと、ハゲタカについて軽く説明、昔から言われている良い作品の条件とは、1にストーリー、2にヌケ(タッチ)、3に役者と言うが、それが揃った作品であったとのこと。題材がホットであり、2については仕上がりが新鮮、映像が題材にピッタリで現代的であったこと、役者については大森さんを褒めていらっしゃいました。


【第一話上映】
その後前方のスクリーンにて第一話上映の後(上映後は拍手が起こりました)、15分休憩を挟み、ゲストのトークショーへ。ここで席の「鷲津政彦」「西野昭吾」のキャプションがはがされ「大森南朋」「宇崎竜童」に変わってました。


【ゲストトークショー】
以下、発言者と、発言内容のまとめ。

<制作の背景:訓覇氏>
ライブドアとフジTVの事件があり、自分でもTVで見ていて気になり色々調べた。NHK的も皆様に色々ご迷惑をかけていたりしたので…何か思い切ったことをやらなければ、という開き直りのようなものもあり、キャスティングなど、全てにおいてチャレンジしていきたい、との思いがあった。

<原作との違いなど:大友氏>
訓覇さんより企画の話を聞き、まずどう映像化するのか難しいと感じた。しかしドラマというものは、知らない世界をフィクションとして再現出来るものであり、本音が蠢いている部分を映像化したいと思った。また、普段聞き慣れない経済用語「ホワイトナイト」や「パックマン・ディフェンス」など、そういう単語に「スペシウム光線」的な必殺技効果を感じ(「ゴールデンパラシュート!とか…」)、必殺仕事人的なものもイメージした。主人公については、「女王の教室」のように善玉でない、堪え忍んで帰り血を浴び、身体が引き裂かれるようなイメージで、取材を重ねていく内に今までにないダーティーヒーローが出来た。人間というのは単純ではなく複雑なもので、一筋縄で括れないもの。そういうものを作りたかった。

<主人公について:大森氏>
(相手をいじめ倒すような役であったが、辛かったのか、実は痛快だった?との質問を受け)辛いとかそういう感じは全くなくて、淡々と、ディレクター達と、鷲津というキャラを作っていった。さっき映像を楽屋で見ていて「あ、俺怖い顔してるなぁ…」と。経済用語などの難しい部分について分からないので、一番最初に「細かいディティール等はプロデューサー、ディレクターに任せる、ただ人間の中身の揺れ動きなどはきちんとやります」と、握手をして別れました(「握手は…してないかも……すいません、今、つけたしました…(笑)」というような補足あり)。「ブレないように」というのを心がけてやった。

<ハゲタカに対し餌食となった役は:宇崎氏>
ほとんど演じずに済みました。楽屋で映像を見ていたら自分が稲川淳二さんにしか見えなかった、怪談でも言いそうな…。(ドラマでは)大森さんが冷たくって…(大森氏「(演出が)そういう風にしろって…(笑)」)。演出の大友さんはねばる。何度もやらせる。俺は一回しか出来ないのになかなかカットしない。1シーン目でそういう風だったので、これは、一筋縄でいかないと感じた。しかし「そのままやればいい」と思い、やった。大森さんは全6回に出ているが、「こんな風に変わっていくんだ」という…人間的な部分が回を追う毎に変化していく。僕は1回しか出ていないので、残念ですね。(「台本も1回しかもらってないから、どうなるかも分からなかった(笑)」とのこと)

<(原作にあった)恋人や家族との絡みがない:大森氏>
(ラブシーンや、母親との絡みというものがほとんどありませんでしたが、そういう風に甘えてみたいなぁというのはありませんでしたか?という質問を受け)「鷲津が(笑)?!…僕がじゃないですよね(笑)」。考えていなかった。栗山さんとは、そういう気配があったかもしれない…。…僕だけかな…?…何か、後ろの方で……。(その後大友氏より、公私混同やら、見てる人も深読みしてるみたいだのと、そこを広げようといじられ「なんで広げてるんですが、ハゲタカ見てる人はそんなこと思って見てませんよ(笑)!」と牽制していました)

<共演者とのコミュニケーション:宇崎氏>
(唯一家族が一緒に出てきた宇崎さんは、との振りを受け)普通は家族役とか、共演者の方とは心あわせというか、仲良くするために話したり、食事に行ったりというコミュニケーションをするんですが、この現場では、誰とも仲良くなれなかった…。仲良くなった人はいないんじゃないでしょうか(笑)。みんな冷たい(夫婦役の永島さんとも、ロケバスの中で仲良くしようかな、と挨拶したけど、仲良くなれなかったそう…)。しかし「仲良くなってはいけない」というような、クールな珍しい雰囲気があり、そのクールさが今までのドラマにないものであった(=結果としてそれが良く働いた)。

<迫真の演技について:宇崎氏>
迫真の演技と言われるんですが、(宇崎氏のシーンについては)実質3日くらいでとっているのですが、朝が早い。自分はずっとライブをやっていて、19時に元気であればいいわけで、5時半に寝て12時半に起きる生活をしてるわけですが、このドラマだと朝の6時に千葉集合とか…。トラックにはねられるシーンなんかは一昼夜寝ていないんです。(鷲津に)冷たくあしらわれるシーンは、台詞を忘れないように必死だった(笑)。寝ていないから集中力が増していたのかも…。(大森氏「僕はメイクさんに、役作りで寝てないって聞いたんですけど…(笑)」→そうじゃなかったみたいです)

<演出について:大友氏>
(1話と6話を演出された大友さんは、との話を受け)演出部は、お手伝いという感じ。俳優部の皆さんが、役や設定を感じてやっていってくれた。このシーンはこうでなきゃ、等の解釈は、俳優さんの自由にやっていただくというか、任せた方いい聖域だと思っている。どういう風になっていくのか、こちらが驚かされたことも。あの菅原文太さんなんかもどんどん変わっていった。勿論そう出来る脚本も素晴らしい。そういった感情で(ドラマを)作ってくれる俳優を集めてくれたプロデューサーも、スタッフも素晴らしく、楽しい仕事だった。

<眼鏡の着脱:大森氏>
(ドラマ中、大森さんが眼鏡をかけたり外したりするシーンがあるが、あれは意図をもってやっているのか、との質問を受け)考えてはいたと思いますが……(あまり覚えていない様子)。(大友氏「あれは、本能的にやってたよね」)。

<演出法:大友氏>
(2年間、アメリカのハリウッドで勉強されて帰ってきたとのことですが、それを今回活かしたりはしたか、との話を受け…ちなみに大友さんがアメリカ帰り、の振りで何故か訓覇氏がずっと大ウケ)。長回しというか、芝居の最初から最後まで撮るというのは影響を受けたところかもしれない。

(訓覇氏より大友氏へ)本当に何回も何回も撮るので、俳優さん達が怒り出さないかな?という心配があったが、それが起こらない現場の凄さがあった。あれは何かポリシーが?西野家の家族のシーンなんか、何度も永島さんが倒され…あれは、やってはいけない思ってしまうようなというか…、キャストも凄いし。凄いシーンだった。

(大友氏)頭の中を超えたいというのがあった。脚本の時点から何度も、20回、30回と話を見ていると、言葉は悪いが飽きてしまうようなところがある。そこを更に超えるところが見たい。俳優さんにも遠慮しないでやってもらいたいし、こちらもギリギリまでやりたい。俳優さん達がいい演技をしていてもカメラが追いついていなかったり、芝居とカメラの一致を見つける作業というのは、時間がかかるものだと思っている。それを見つけるのが僕たちの仕事。

<鷲津について:大森氏>
(鷲津は台詞も難しいし、相手をいじめ倒す役だし、辛くはなかったか?それとも楽しかったか、との話を受け)ハゲタカや鷲津に限らず、別の人格を演るというのは楽しくもあり、(役について)真剣に考えている。いじめているのが楽しい、というのはなかったですが…。鷲津は潔癖性的で、真面目なところがありますが、1人で寝る時などはまた別な、安堵したりすることもあるでしょうし。自分が人を陥れて、非難されることを分かっていながらも、それを全て受け入れようとして…パンクしたりもするんですが。彼は彼の世界で真剣に生きていると思う。

<視聴者の目:訓覇氏>
(評論家からは評判が良かったが、視聴者から印象的な声はあったか、との話を受け)面白かったというか、深く響いてくるものが大きいというのを感じた。印象的だったのは、ハゲタカは全6話ですが、前半の方が特に人気だったということ。ある程度上手くはいったと思ってはいるのですが、視聴者の目として(最終話に向けて)「嘘っぽいものを作るなよ」、「物語のための物語にしないで欲しい」という声を感じ、甘くないな、そこを考えなければ、と思った。

<面白かったこと:宇崎氏>
(こんな面白い話があったよ!というのは何かありませんでしたか、と突如質問のキラーパスを受け)面白い話ですか。スタジオの中っていうのは、1カメ、2カメ…と複数カメラがあって、メインのカメラがあるのですが、メインは役者のアップであったり、そういうのを撮っている。そのメインのカメラがどんどん動いていくんです。このドラマはカット数が凄く多い。「俺を撮ってるのに、あっちへ行ってしまった」という風に、カメラが動いていく。やっている方もショックだし、出来上がったのを見ても面白い。

(音楽について)自分のイメージで、このドラマ、鷲津が窓辺に立っているシーンなんか、はアート・ブレイキー・アンド・ジャズメッセンジャーズなんかが合うんじゃないかと大友さんに言ってたんですが、出来上がったものを見たら、全然、違いましたね。音については、効果音や音楽なんかを、編集の時に色々混ぜたんじゃないかな。音楽の人は大変だったんじゃないかな。俺が音楽担当じゃなくてよかった。

<音楽について:大友氏>
(音楽についてはかなり細かく指示をしたのでは?と宇崎氏の質問を受け)世界観と音楽というは繋がっている。僕が、音を集めながら編集をしたいのもある。音楽の力を借りるというか、このドラマは難しいシーンも多かったので、多めに発注をして、音楽で煽動するようにした。注文はバラバラ。「ハゲタカ」が鳥なので、それに関連した、例えば「托卵」というような単語でどんどん発注をし、30曲くらい作ってもらった。効果の方と一緒に作っていった。シーンには、イメージの曲をあてたり、(発注時のイメージとは)違う曲をあてた方がしっくりいくものもあったり、その辺は色々トライしながら。

(宇崎氏)僕はヘッドフォンで聴きながらドラマを観ていたんですが、ある時は効果音だけ聞いてたり、曲だけ聞いてたり、絵だけを観ていたり…。(音楽については)4回から、音楽の調子が変わるんです。その辺も注意しながら、観てみてください。

<裏話:大森さん>
(裏話で面白かったことは何かあるかとの話を受け)本編でカットされたシーンがあって、DVDの特典にも入っていない、使われなかったシーンなんですが…でもそのシーンがあったから、というのがあった。狙ってたのかどうかは分かりませんが…。鷲津が撃たれて、足が動かなくて、上手く歩けない苛立ちを表すシーンで、地下道で暴れるというシーンがあったんですが(「あ、そんな激しいシーンではないんですが(笑)」というようなフォローあり)、あれは台本にもなかったですよね(大友氏へ確認)?(訓覇氏「僕もしらない、観てない」)あれは、急に撮りたくなったのか…(笑)?まぁ、そのシーンがあったので、その後の鷲津の気持ちに繋がっていったというのがあります。

<映画との違い:大森氏 他>
(大森さんは数多くの映画に出演されてますが、TVドラマとの違いというのはありますか、との質問を受け)スピードが違います(撮影の)。TVドラマの方が早いです。そういった意味でハゲタカは映画に近い撮り方だった。カメラも多く、どこを撮られているか分からないままやっていくというのは、興奮するというか。自由にやることが出来て、楽しかった。

(荻野氏)ハゲタカはドキュメンタリータッチというか、カメラもハンディで、フィックスしない撮り方が多かったですね。その辺はハリウッドでの経験だったりするんですか?(大友氏へ)

(大友氏)映画はとった事がないので分かりませんが、アメリカでは、役者がどこから撮られているか分からないように、役者さんの自意識を刺激しない撮り方をする。そういう考え方は映画的かもしれません。


<ハゲタカでの知識:訓覇氏>
最近ハゲタカの曲がニュースとかで使われていて、猟奇的な事件とかで使われていたりするので、どきっとします。(制作者側も色々知識として学んだのではという質問を受け)知識というのは、流れてしまいますね。ただ、(ライブドア等実際の事件についてもまだ終わっていないし)終わった感じはしていない。

<難しい単語について:大森氏>
(難しい台詞を覚えるのが大変だったのでは、という質問を受け)最初台本を読んで「マズイな…」と思ったんですが…。でも「意外と入るな」というか…覚えるのに慣れますね。ただ半分冗談で(大友さんに)「減らないですか?」と聞いたんですけど、冗談ととられたみたいで、「そのままで」って言われました(笑)。


【質疑応答】
以降は、セミナー参加者からの質問を募って、ゲスト陣が答える質疑応答の時間。

Q.DVDの解説にあった「リアルの怖さ」について

A.(大友氏)ファンドのリアルであったり、銀行のリアルであったり…(受け取る人によって違うので)「リアル」の着地点というのは不明。ただ、プロから観て恥ずかしくないように、というように作った。失われた10年についてなどは、取材などしていくと、実際に経験された方の話も聞いて、逆にリアルじゃない、いい加減なものには出来ないと思った。最近のフィクションを扱う怖さ、他との接点の難しさというか。柴田恭兵さんからは「芝居でいきますか?リアルでいきますか?」との質問があったが、後者でお願いした。


Q.(大森氏へ)含みのある台詞が多かったか、それはすり合わせを行っているのか(or独断)?
 また大木会長の「やり直したかったら、何もしないことだよ」の台詞は、鷲津政彦としてどう捉えたか?

A.(大森)(前者について)台本を読んで、基本的にはリハーサルなしのスタイルだったので、(自分が台本を読んで)まず思ってきたままを芝居、という形で挑んだ。そこからやりとりをしていくことはあった。
(後者について)文太さんは、緊張した…。大木会長の台詞については、「このオッサン何言ってんだ」という気持ちだったと思います、鷲津としては。時代は違うぞ、という。鷲津は自分の考えを持っているので。ただ、あの台詞で2cmくらいは心が揺らいだかな…という感じ。


Q.銀行は閉鎖的で秘密主義的なところがあるが、内部事情などの取材で、苦労されたことはありますか。

A.(訓覇氏)銀行は色々ありましたが、その後、もう今は変わっていますので。意外に間口を広く対応していただけた。一般企業だと、社長室といってもだいたい想像が付くが、銀行の重役だとどういう部屋になっているのか、他の会社にないどういったものが置いてあるのかなども取材した。昔は銀行の重役は車での送迎が当たり前だったのが、電車通勤になったことについてなどは、(意外に)「(電車通勤の方が)自由になれてよかった、帰りに好きなところで降りて、焼鳥屋なんかにも寄れるしね」等の話もしていただいた。逆に、当時はファンドの取材の方が苦労した。情報を集めるのに苦労しましたね(大友氏同意)。

銀行は取材に対して、正直「聞かなきゃよかった…」と思ってしまうような苦労話まで、色々と教えてくださった。話上、銀行と敵対してい形になるようなところはあったが、銀行を一方的に敵にしないというか、NHK自体が銀行に近いというもあり…個人的に、最後には(銀行にも)救いを残したいという気持ち部分もあったことはあった。


Q.大森さんや宇崎さんのように音楽をやっている方には、直接良かったと意見を伝える機会があるが、ドラマの感想を伝える機会は?視聴者として何が出来るのか。

A.(宇崎氏)僕たちであれば、道を歩いていて、良かったよ!と言ってもらえる事はありますが、訓覇さんや大友さんなんかは、まずないでしょうしねぇ。

(訓覇氏)面白かった時は「面白かった!」と…。面白く無かったときは、ちょっと包み隠して感想をいただければ…(笑)。

Q.続編・映画化等の可能性について。様々な賞の、受賞の感想について。

A.(訓覇氏)制作には、本当にパワーが要ったというか…(制作期間1年半)。続編は、体力と気力が戻ればということで……(笑)。受賞の感想について、嬉しい以外にはないですね。嬉しいです。

(大森氏)受賞については、同じく嬉しいのと、最初は、驚きと、まさか、というのがありました。現場では受賞の事なんか考えずにやっているわけですから。(続編について)鷲津に戻るには何ヶ月かかかりそうなので…、(大友さんたちを見て)続編をやるときは、何ヶ月か前に言ってください(笑)。

Q.次へ向かう為の、仕事の信念などはありますか。

A.(訓覇氏)信念?信念……信念……う〜ん、信念…(しばらく悩んでおられました)。あの、なんか僕小学生みたいで恥ずかしいんですが、その日その日をクリアしてく、ということで…。

(宇崎氏)役者は専業(本業?)とは思っておらず、お話をいただいた時点で有り難い。引き受けた以上は、周りに迷惑がかからないよう、「OK!」と言われるように、落とし前をつけて、後悔しないように、完結させることです。ちょっとでも「もうちょっとああすればよかったな…」というような後悔が出た時は、ねじ伏せて、忘れます(笑)。ミュージシャンとして(の信念)は、100年たって、どこかの道ばたで、誰かが詠み人知らずの歌として口ずさんでくれるような…そういう曲を作りたいと思ってやっています。

(大森氏)失礼のないように、真剣に取り組むこと。「現場に遅刻しない!」が、信念です。

(大友氏)イチローのような天才でも4割、ということですから、あとの6割はいいか、という感じで。成功しようとすると失敗しますから。ハゲタカは成功しすぎてしまったので、次辺りで大失敗をしておきたいと思います(笑)。


<最後にひとことずつ>
(訓覇氏)視聴率の数字はよくありませんでしたが、こういう風に愛していただけたことに感謝しています。

(宇崎氏)6話全部観てください。僕は2話からしか観ませんけど(笑)。いままでやらせていただいたものの中で、ベスト1の作品だと思っています。ありがとうございました。

(大森氏)時間が経ってから、こうったセミナーを開いていただいたり、こういうのも嬉しいです。まずこの作品にキャスティングしていただけたことに感謝してます。またこのメンバーで何か出来ればと思います(「なんて、うまいこといっちゃったり…(笑)」とちょっと照れ隠しの様子でした)

(大友氏)先ほど大友、訓覇コンビでまた良い仕事して欲しいというように言われたが、本当に僕らだけでなく、ハゲタカは「スタッフ命」のドラマだったと思っています。他のスタッフ皆のおかげです。またこのメンバーでお付き合いが出来ればと思っています。皆さん、どんどん投書をしてください!


以上、拍手の中、ゲスト陣が帰られ、その後放送ライブラリーからのお知らせがあり、終了。


<簡単な全体的感想>
時間は、第一話上映、休憩時間を含み、13時半〜16時半までの3時間でしたが、トークショー、質疑応答も1時間以上あり、制作者、俳優さんの生の声が聴ける貴重なセミナーでした。せっかく「生の質疑応答」という機会があったので、その時間を最大限活かせるよう、その場でのやりとりに加え、予め質問を募った中から選んだ質問についてお答えいただく、という形も併せてあれば、もう少し効率良く時間を使えて、更に面白くなったのではないかと思います。


はぁ、長くなってしまいました。何が疲れたって、自分の走り書きのメモを解読するのが…。メモしきれていないところもあるかもしれませんが、ご容赦くださいませ。
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