WARP DAYS

Written by Noriko
Football(GAMBA,JPN),Hobby and more.

<< December 2006 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

宮本恒靖、FCレッドブル・ザルツブルグへ

まずは、FCレッドブル・ザルツブルグへの移籍決定、おめでとうございます。ガンバの公式じゃなくて、真っ先に自分の公式サイトの日記で、自分の言葉で報告をしてくれるところも、日記の内容も、どこまでもツネらしいなぁ…。

宮本の移籍に関しては、今回は本当に賛成で、心から「行ってらっしゃい!」と言って、送り出したいです。日本代表キャプテン、ガンバの顔、宮本が、念願の欧州移籍へ!と華々しいタイトルをつけてスポーツニュースは報道しているけど、向こうでしっかりと選手としてやっていくのは必ずしも簡単な事ではないだろうし、事前に大成功・大活躍が“確約”された移籍ではないかもしれません。それでも、宮本本人が強い意志を持って、移籍という道を選び、それが叶ったというのなら、私は迷うことなく全力で応援したい。そして、今回の移籍で、宮本が多くのものを得て、また日本へ帰ってきてくれることを信じています。

私自身はガンバを見るようになって決して長くはないけれど、それでも、クラブと代表を行き来しながら、そのどちらにも本当に力を注いできた宮本の姿を見てきました。私がガンバを見るようになったキッカケが、まさに、日韓W杯ロシア戦での、宮本でした。宮本は、代表ではキャプテン、ガンバでもチームのまとめ役として、常にプレッシャーがつきまとい、弱音を吐いたりくじけたりすることが周りから許されないポジションに居ました。それでも彼は周囲の期待通りに、むしろ皆の想像以上に、どんな状況でも前を向いて、自分だけでなく、気丈な言葉で周りをも鼓舞しながら、プレーを続けてきました。日本代表ではキャプテンとしてW杯を2度経験、五輪や、アジアカップ、コンフェデ等、様々な大会・試合を経験し、そしてガンバでは、ユース一期生として加入してから、15年。去年、13年かかって掴んだ、優勝というタイトル。何度も、色々な興奮、悲しみも、喜びも味わわせてもらいました。

その宮本が、欧州移籍という長年の夢を叶えたいというのなら、心から「行ってらっしゃい」と、その他に言葉が出てきません。沢山の気持ちがあります。宮本の夢が叶った嬉しさ。それから、来季からはガンバの試合を観ても、どこにも彼の姿が見つけられないという寂しさ。きっとまだ、寂しいと言っていても現実感がないんだろうと思います。来季、スタジアムへ足を運んだ時、試合中、大事な試合の前、負けてしまった試合の後、イヤーブックを開いた時、サイトの選手一覧を見た時、スポーツニュースを見た時。色んなところで、様々な形で、宮本が抜けた穴を、ひしひしと感じるんだろうなぁ。後ろから、宮本の声が聞こえてこないガンバが、今はまだきちんと想像出来ない。それほど、宮本が今までガンバに(代表に)与えてきた影響は、大きい。きっと、他の誰かが、急にそれを埋められるような大きさではない。

今季優勝したいと思った理由は前のエントリで書いたけど、もう一つ重要な理由があって、それが、今年のイヤーブックで宮本が言っていた、優勝したことで、これからチームも、サポーターも皆でもっと成長していかなくてはならないという様な内容の言葉。宮本がガンバを離れる事で出来る穴は本当に大きいけれど、それでガンバがダメになっているようではいけないんだ。これは、宮本自身にとっても、チームにとっても、サポーターにとっても、大きなチャンス。これを機に、もっと強くならなきゃいけない。それが、宮本への一番の後押しにもなるんじゃないかな。

だから、まずは、天皇杯。最後に、国立で、カップを掲げてもらおう。そして、祝福とともに、オーストリーへ、送り出したい。

ガンバにいてくれて、私をサッカーに引きずり込んでくれて、言い表せないくらいの経験、思い出、大事な友達を与えてくれて、そのチャンスを与えてくれて、本当にありがとう。

また、どんな形になるかは今はまだ分からないけど、必ずガンバへ、ホームへ帰ってきて、会いましょう。サッカー選手としてプレーする場をオーストリーへと移した宮本選手の行く道が、その新天地で、素晴らしいものとなりますように。
- : - : edit

宮本の話(備忘録)

師走ということで、なんやかんやと、更新のタイミングを逃しまくり。天皇杯広島戦は、友人の結婚式で東京まで行ってたので見られませんでした。速報チェックしてて、延長入った時はどうしようかと思いましたけど、勝ってよかったよ〜。それにしてもマジでヤットが120分も出るとは思いませんでした…色んな意味ですごい。23日のユニバは行きますよ!

それから、これまた遅くなりましたがヴィッセル神戸、J1昇格おめでとうございます。今年は結局何だかんだと3試合しか見に行けなかったんですが…。J1上がったらまた敵だけどね!来年楽しみだなぁ。

来年、といえば、宮本のこと。移籍については、120%賛成ですが、直接それについて書くのは、正式発表があってからにします。今回は、自分の気持ちの整理と記録のために書いておきたかったこと。私が今年、初優勝のかかった去年とはまた違うけど、同じくらい強い思い入れがあって、優勝したかった理由。長いので畳みます。




今年、シーズンが始まってから、連覇をしたい!という気持ちはあったけど、「今年、このチーム、この面子で優勝したいなぁ」と強く思い出したのが、夏の終わり頃。W杯から帰ってきた宮本を見ていてそう思いました。

W杯のクロアチア戦、ニュルンベルクで、宮本が累積2枚目のイエローをもらったのを見た時に、「あ、ヤバイ」と一瞬頭がもの凄く混乱したのを今でも覚えています。落ち着けと思ったけど、どうにもテンパっていたので、ハーフタイムに日本のTAMAKIちゃんに電話をして、宮本、ブラジル戦出られないよね、というのを確認しました。そこからは、切り替えようと…ブラジル戦に出られない、だけど、正直これはもしかしたら、この試合の残りの時間が、宮本の最後の代表ユニ姿かもしれない。実際問題、これは可能性の話で、今後どうなるかわかりません。でも可能性としてはある。その覚悟を決めた時の、冷たくて暗い気持ちを、私はこれからずっと忘れる事はないと思います。この試合がどうなっても、これから先がどうなっても、この試合の宮本をしっかり見ておこうと思いました。

そしてW杯が終わって、案の定、色々と言われたジーコJAPAN。この四年間、宮本が代表でしてきたこと、得てきた経験、結果は決して無駄なことではないし、むしろ、本人だけじゃなくてガンバサポにとってだって、本当に誇らしいこと。それは大前提。でも、時々、しんどいんだろうなぁ、と感じることがありました。もちろん、色々と辛かったのは宮本に限った話ではないし、それが結果的に糧となっているという事もあるだろうし、何より宮本本人がそういうのを極力マイナスなこととして捉えず、前向きにコントロールしていける精神の人だというのも分かっています。そして代表であれ、クラブであれ、どこであれば辛さもなく楽チンだ!という事は有り得ないのも分かっています。それでもW杯後は、決して長くはないけど、ガンバサポとして宮本を見てきた身には、ちょっと滅入る時期もありました。

そんな中、W杯後の金沢での磐田戦。私はテレビ観戦だったけど、ガンバユニの宮本がピッチに立っている姿を久々に見て、テレビの中ではあったけど「ツネがいい顔してるなぁ」と、試合中なのに何故かすごい安堵感のようなものを感じました。そして、現地に行っていた方から「疲れてるはずなのにメッチャ生き生きしてたよ」と聞いて、それがもう本当に、泣けるくらいに嬉しかった。ニュルンベルクで感じた冷たい覚悟は、今後も心の片隅でずっと溶けない氷みたいに居座り続けるんだろうなぁと思うけど、それ以上に、宮本が、サッカー選手として生き生きとプレーしている姿を見られる事が嬉しかった。「彼は、日本代表の選手である以前に、キャプテンである以前に、一人のサッカー選手なんだ!」と、W杯後の色んな報道を見て、私が言いたかったモヤモヤは、これなんだなぁと…そしてそれをガンバの試合で気づけたのが、幸せな事だなぁとも、思いました。

それから、コンディション調整が難しかったのもあってか、A3まで、プレー自体は芳しくない状態が続いたけれど、A3後、久しぶりに休養を挟んだ後の、宮本のプレーのキレは、皆さんもご存じの通り。でもそれは「ガンバ>代表」だからではなく、代表からは離れている状態になっているけど、それによってリーグ戦に集中することが出来て、宮本が今まで、ガンバだけなく、数々の代表戦でも得てきた多くの経験をクラブに還元しているからこそだと思います。

だから、その状態のツネを見て、あぁ、今年、これで優勝が出来たら最高だ、と思いました。その宮本だけじゃなく、去年から比べて、あれだけ点をとった主力選手が抜けたのに、新しく入ってきた選手が、そして前から居た選手も去年よりもっと、という意気込みでまた頑張っている。このチームで優勝したいなぁと本当に思って、また、出来ると思っていました。


結果、優勝には届かなかったわけだけど…。でも、今年は今年で、濃密な一年でした。去年は、初優勝を目指して本当にそれしか見えなかったけど、今年は頭がパンクしそうなくらい、色んな事を考えた年でした。悪いシーズンだったとは思いません。で、最後の最後に、また、色々考えさせられる事が起ころうとしてるわけで…。

ほんとに長くなってしまったので、それはまたの機会に。あ〜…長い!
- : - : edit